vol. 316(2023年11月号)掲載
各界から長崎県同友会会員へ向けた熱きメッセージ
「産学官金労言」の結束と連携で
人口減少社会に立ち向かおう!
長崎県中小企業家同友会の皆様におかれましては、県内経済の活性化や雇用の確保において多大なご尽力を賜っておりますことに、改めて深く感謝と敬意を表します。新型コロナ後の経済状況は、著しい円安基調や不安定な国際情勢などから各界にわたり深刻な影響がもたらされ、とりわけ人口減少傾向に一層拍車がかかるなど、将来への道筋が見通しにくい現状にあります。
平戸市の経済構造を支える大部分は中小企業及び小規模企業であり、経営の安定化や事業継続を図るため、国や県の制度を活用しながら商工団体や金融機関と連携し、資金調達の支援や生産性向上のための設備投資などの支援策を実施しております。
特に基幹産業である農林水産業については、従来の系統共販に加え、平戸市独自の販売戦略を地元のみならず首都圏においても展開し、年間を通じた平戸産品の魅力の発信及び販売促進を図ることで、付加価値とブランド化による所得向上に取り組んでおります。特に平戸市ふるさと納税では、季節ごとに提供できる定期便方式による返礼品を拡充し、生産者による商品開発意欲の向上を図っているところです。
また観光業においては、昨年末にイタリア発祥の旅行形態「アルベルゴ・ディフーゾ・タウン」に認定されたことを契機として、九州大学大学院をはじめ長崎県立大学や長崎国際大学などの研究機関とも連携して、日本初の常設「城泊」を核とした城下町らしい独自の宿泊スタイルを構築しているところです。
人口減少と地域経済の縮小からくる地域間格差の克服を是正するため、地方自治体自らが考え、責任を持って戦略を推進することが強く求められている中、平戸市も限られた財源と人材を有効に活用しながら、市民の自主性を活かすとともに、市民との協働と総意工夫によって特色ある地域経営を力強く進めてまいります。そのためにも、表題に掲げた「産学官金労言」の各界のプレイヤー群が結束を強め、また相互に連携していくことが、山積する課題の解決のアプローチになると確信しています。
県内経済の活力アップも、県民がそれぞれの地域の資源や魅力を再認識し、お互いが刺激し合い前向きの競争と共生を実現することから始まると思います。どうか長崎県中小企業家同友会の皆様におかれましては、平戸市に足を運んでその元気の発信源を実感していただき、アドバイスなどを賜りますようお願い申し上げます。

平戸市長
黒田 成彦
1960年 8月 平戸市生月町生まれ
1979年 3月 青雲高等学校卒業
1983年 3月 麗澤大学外国語学部英文科卒業
1985年 11月 衆議院議員金子原二郎秘書
2002年 2月 長崎県議会議員
2009年 10月~ 平戸市長(現在4期目)
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