北松浦支部 1月例会報告
日時:1月16日(火)18:30~19:30
会場:サンパーク吉井
テーマ:事業承継から事業承継へ~経営理念・パーパス経営の承継~
報告者:(株)王子工業 代表取締役 平倉 浩会員(佐世保支部)
出席者数:25名(会員10名、他支部14名、事務局1名)
まず驚いたのは、当事業所で契約社員として社員生活をスタートし、叩き上げで代表取締役となり、事業を受け継いだということだ。
事業を受け継ぐまでのあいだ、幾つかの役職を経ておられていたが、その役職のステージ毎に平倉さん自身が自己研鑽に努められ、担当する業務の改善を進めながら、職務を全うされていたのだろうと容易に理解できた。まさに「置かれた場所で咲きなさい」を地で行くという感じだろうか。
そして、工事課長時代に代表取締役就任の打診があったとのことだが、この時に当時の社長の親族ではなく、平倉さんを承継候補者として選考したのは、先代社長が社員を常に観察されていたのだろうと感じた。
先代社長がいつ頃から平倉さんを次期後継者として考え、経営者教育をどのように実践されてこられたのか関心があるところである。
その後、取締役兼工事部長へ就任、そして2016 年代表取締役へ就任。2020 年には最高経営責任者に就任され、2030 年には自身から後継者へ事業の引き継ぎを念頭にいれられており、CO2 削減や規制緩和など事業環境の変化に対しての対応策の実施、安全・衛生面の向上、離職率の低減、人材確保・社会貢献など社会に必要とされるよう会社の品格向上への対応、究極のBCP 策の実行、万が一に備えての対策等々、抜かりなく実行されておられ、次世代への承継がスムーズに移行できるような取り組みには非常に感心させられた。
特に、会社の経営基盤をより安定させるために自己資本比率を高めてこられたことから株式の承継に関しての対応には、細部に亘る配慮が伺えた。
事業承継は、早い時期からの準備を進めることが肝要であるとよく説明を受けるが、今回の報告を拝聴して、まさにその通りだと改めて認識させられた。
( 文責 森 誠治)