vol. 323

各界から長崎県同友会会員へ向けた熱きメッセージ

身近な相談相手司法書士を活用下さい

 長崎県中小企業家同友会様及びその会員の皆様には、日頃より司法書士会の活動にご理解とご協力を賜り心より感謝申し上げます。
私たち司法書士は、市民の皆さまにとって身近な法律実務家として、また経営者にとっては企業法務パートナーとして地元経済の発展の一助を果たしてきました。土地や建物の登記、相続手続き、訴訟業務にとどまらず、商業登記を通じて、議事録や契約書の作成から株式発行や企業再編・事業承継の支援まで企業経営の多くのシーンで貢献してまいりました。
 さて、現在私たちが大きく力を注いでいます、「空き家・所有者不明
土地」にまつわる諸制度と私たちの取り組みをご紹介したいと思いま
す。空き家は全国で340万戸以上、そのうち腐朽・損傷しているのが100万戸以上あります。また、登記簿などから所有者の所在がわからない「所有者不明土地」は全体の24パーセントと言われています。これらは、防災防犯上の不安や、公共工事や都市開発の支障といった大きな問題となっています。長崎においても各地で老朽化した空き家を目にすることでしょう。土地について、所有者が不明では公共工事の同意ができませんし、空き家についても改善指導しようとしてもその所有者がわからず対処できないケースも一定割合あります。その多くは、所有者が亡くなった後に名義をそのままにしてしまい、相続人が多数に渡ってしまうことが原因となっています。
 そこで、昨年より新たな管理制度として所有者不明の土地建物についてや管理不全の土地建物に関しての財産管理人制度が始まりました。これにより、所有者に代わって裁判所が選任した管理人によって管理処分が出来るようになりました。司法書士会は、裁判所からの管理人推薦に対応するため推薦名簿を作成し現在推薦を行っています。
 また、本年よりこれまで任意であった相続登記が義務化され多くの相談が寄せられているところですが、なかには当時の名義人から二次相続、三次相続が発生している困難なケースもあります。是非このような場合は、私たち専門職にご相談いただければと思います。
 新しい制度を含めあらゆる場面において私たち司法書士は、地域の経営者の法務パートナーとしてまた、市民の身近な暮らしの法律家として問題解決へ取り組み、地域経済の発展に貢献していく所存です。

長崎県司法書士会
会長

入山 和明

2006年  司法書士登録
2009年  全国青年司法書士協議会 常任幹事
2009年  長崎県司法書士会 理事
         以後、副会長等歴任
2023年  長崎県司法書士会会長
      多重債務問題や自死対策に取り組んできました