vol.304(2022年10月号)掲載 2023年3月14日 最終更新日時 : 2023年3月14日 voice 各界から長崎県同友会会員へ向けた熱きメッセージ 「地域で働き地域で暮らす」 自立した生活を目指して 中小企業家同友会の皆様におかれましては、日ごろより特別支援学校生徒の就労支援等に多大なご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。1.長崎県立ろう学校について 本校は1898 年に開校し、県内唯一の聴覚特別支援学校として今年で124年目を迎えます。幼稚部から高等部まで設置しており、3歳から20歳までの幼児児童生徒50名が学んでいます。2018年に大村市植松から移転し、現校舎は新幹線車両基地が目の前にあり、毎日のように新幹線「かもめ」を見ることができます。佐世保分教室の校舎は佐世保市柚木地区の藤山神社が正門を出てすぐの場所にあります。 「強く・正しく・心豊かに」の校訓を掲げ、聴覚障害のある子どもたちの自立と社会参加を目指す学校です。2.聴覚障害について 聴覚障害は外見上わかりにくく、他の人から気づかれにくい障害です。また、聴覚障害はコミュニケーション障害であるともいわれます。本校でも近年は人工内耳を装用する子どもが増え、補聴器の性能が向上したことにより、ほとんどの子どもは日常会話程度の音を聞き取ることができます。しかし、相手の話す言葉の内容やその意図を理解し、それに対して言葉で考えたり答えたりする力は、音を聞き取る力が向上しただけでは簡単には身につきません。そのため本校では言葉による指導や会話だけでなく、手話や視覚的な情報で支援しながら子どもたちの言語能力や学力向上に努めています。3.地域で働き自立するために 本校高等部は職業科を設置し、これまで理容や木工、窯業、被服に関する知識や技術を身につけ、各種技能検定や大会に挑戦しながら県外企業に多くの生徒が就職してきました。しかし、近年は県内企業や事業所への就職を希望する生徒や保護者が増加しています。生徒たちが地域で働き生活することは、聴覚障害者への理解や社会自立につながっていきます。学校としても同友会の皆様とのつながりをさらに深め、生徒たちが共に働く仲間として受け入れられ、地域を活性化させる人材として成長できるよう取り組んでまいります。今後とも引き続き皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。vol.304(2022年10月号)掲載 長崎県立ろう学校 校長柴田 寿恵1963年3月8 日生1981年3月 長崎県立島原高等学校卒業1986年3月 長崎大学教育学部卒業1986年4月 長崎県立島原養護学校南串山分校 教諭2017年4月 長崎県立長崎特別支援学校 校長2018年4月 長崎県立大村特別支援学校 校長2021年4月 長崎県立ろう学校 校長(現職)