五島支部 3月例会報

日時:3月23日(土)18:30~21:00

会場:福江総合福祉保健センター

テーマ:島から島へ~新事業・新天地への挑戦~

報告者:(同)メディアウェブ 代表社員 勝本 政裕 会員

出席者数:18名(会員12名、他支部5名(うちWeb4名)、事務局1名)

15 年前に起業後、インターネット・教育ICT 関連のサービスで地域貢献されてきた勝本さんは、お母様の病気をきっかけに、「栄養バランスが整った宅配弁当サービスは高齢化が進む五島で地域貢献できるはず。しかも、商売になるはず!」と2015年に新規事業参入を決断。離島のハンディキャップである交通機関の欠航を考慮し、冷凍食材で納品される大手宅配弁当会社とフランチャイズ契約を結びました。当然ながら最初はお客様0 からのスタート。必死に営業していくなかで、とある施設の理事長から食事管理を依頼され、そこから徐々に売上が伸びていきます。離島店舗としては全国初となる月間8,000 食を達成し、その後も二次離島の医療センターから給食委託されるなど、五島店の売上は安定しました。
その実績が評価され、沖縄の那覇市にある赤字店舗引き継ぎ案件が舞い込んできます。本部との交渉の末、また五島店スタッフの後押しもあり新天地での挑戦を決断し、店舗移転工事、スタッフの新規雇用、駐車場の確保など、沖縄と五島を往復する生活が始まります。OPEN まで2 ヵ月という期限でしたが、なんとか引き継ぎ開業。しかしながら、スタッフ教育の難しさや、県民性の違いに苦労します。それでもスタッフの再教育、配達エリアを縮小・効率化し、営業活動を強化することで赤字経営から見事に脱却しました。苦難の連続だった新店舗がようやく軌道に乗ってきたところで、まさかの癌を発症、治療に時間を奪われ精神的に辛い日々が続きます。しかし幸いにも早期発見だったため無事寛解。さぁこれからという時に、FC 本部の社長から、店舗を手放さないかと提案されます(まだ本部への買掛金がある状態)。親しい間柄だったため赤字店舗引き継ぎ条件に関する契約書を交わしておらず、社員を守りたい一心で癌の保険金で買掛金を一括で返済。その後、様々な苦難を乗り越えて那覇店も安定、現在も五島店と那覇店のFC オーナーとして手腕を振るわれております。
新しい事業、新しい場所でチャレンジすることで得られる経験と知識、親しい間柄でもビジネスにおいては契約書を交わす判断が必要な場面もあるという重要な学びとなった素晴らしいご報告でした。
(文責 塩塚 勇気)