北松浦支部 10月例会報告

日時:10月17日(火)18:30~20:30

会場:松浦シティホテル

テーマ:中小企業の成長発展 ウィズコロナ、アフターコロナをどう考えるか

報告者:税理士法人ウィズラン 平戸オフィス代表社員 松永 いづみ会員

出席者数:18名(会員10名、ゲスト7名、事務局1名)

今回の報告において、中小零細事業者の現場は、コロナ禍の影響に加え、円安基調、エネルギー・原材料価格の高止まり等の厳しい経営環境にあることに加え、後継者不足による廃業・休業に追い込まれる事業者が多く、2012 年から2016 年の期間に中小企業を中心に27 万社が減少しているということが示されたが、毎日、事業者の方と接するなかで耳に目にしている内容でリアル感があった。日本経済の屋台骨である中小零細事業者の減少は、様々な部分に影響することは容易に考えがおよび、危機感がさらに強まった。
一方、国は「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」を前提として、国内投資、賃上げ等の課題の実現を目指す事業者にはこれまでにないような高額の補助金(最近の事業再構築補助金)を用意し、コロナ禍とは明らかに意味合いが違い、中小企業の成長発展に向け、強いては地域活性化に繋げようとしており、潮目が変わっていることが腑に落ちた。
成長発展している中小企業の重要な要素は、社内の人々の創造性の発揮による新商品・新サービスを提供し続けている点であるという。源泉はやっぱり“ 人”。人を生かすことになるのか。DX 化・IT 化による効率化と質の向上を進める一方で、知恵出しに時間を割くのも重要なことなのかもしれない。
事例検証として2 つの成功事例が報告され、共通点として主業周りの新事業に進出している。新事業が安定してくると売上、利益も安定してくる。儲けた収益を新事業への布石のために先行投資を行う。そのため、最終利益は毎期ほぼ横ばい。そして、両社はまたその領域の枠外に新事業を進出するというサイクルをつくり上げているという。逆に、全く主業と違う領域への新事業進出は失敗している。
売上げや利益が安定したら、その主業に立ち止まりがちだが、企業のライフサイクルの停滞、もしくは衰退に繋がり兼ねないと思われた。事業者は常に変化に敏感になり、対応力を高めていくことが肝要だと改めて認識した。
(文責 森 誠治)