【経営フォーラムin五島】第3分科会

社員共育
人材育成を通じて知り得た「共育」の大切さ
(株)落水正商店 取締役 岩 素子会員(長崎浦上支部)
室長 宮田 秀樹

 岩さんは若干20歳で責任のある職務に就かれ、その頃からずっと社員との関係に悩み、試行錯誤の日々を過ごされてきたそうです。そんななか、十二指腸潰瘍を患い、医師から「あと数時間の命でしたね」と告げられ、社員に任せることの大切さを実感したそうです。
 その後、長崎支店の売上が低迷してしまい、存続を図るため新規事業に着手されます。「新しい仕事は、今の仕事の関係性のあるものを」という亡父の教えを守り、現在の仕事と平行して通販事業を開始され年輪経営を目指します。そのなかで見えてきたものが共育です。選ばれる最高の価値を持った商品をつくるには、社員自身が幸福感を持って仕事に取り組む必要性があると考え、ご自身と社員の成長が重なることによって、通販事業は売り上げを右肩上がりに伸ばしていきます。その途中、悪性リンパ腫や脳梗塞といった度重なる命の危機を克服し、全ての人が元気と笑顔で働ける環境づくりを目指すため、副業でスマイルホームカンパニーを設立します。周りには岩さんを支援する仲間が溢れ、自然と共育が行われており、関わり合う全ての人と共に歩むという姿勢こそが共育に繋がることを学びました。
 グループディスカッションにおいては共育ちに関する2つのテーマについて議論がなされました。経営者としての軸を経営理念や経営指針で表現し、共有し深めていくことで社員と同じ方向を向くことも共育ちである。社員との関係だけではなく、関りのある全ての人と共育していくことが大事である等の意見があり、いかに社員と共育をしていくかについて活発な議論が行われておりました。
 当日は岩さんの愛に溢れた笑顔に包まれ、会場全体が温かく感じられる分科会となりました。