大村支部 7月例会報告

日時:7月17日(木)18:30~21:00

会場:長崎インターナショナルホテル

テーマ:ピンチはチャンス---転換期をDXの発想で乗り越えろ

報告者:長崎文化放送(株) 代表取締役社長 大西 弘美氏

出席者数:56名(会員35名、ゲスト11名、他支部10名)

大手新聞社や民間放送でDXを推進されてきた大西氏に、DXの基礎と考え方を学びました。人間は生きるうえでなんらかのテクノロジーを使います。そのテクノロジーの大半は1800年代以降に登場したものであり、デジタルとインターネットの台頭でテレビ、新聞などオールドメディアと呼ばれる業界はピンチを迎えました。メディアの世界はかならずしもDXは進んでいないうえに、往々にして人は今までのやり方を変えたくないものです。そんな環境のなか、DXを進めてきた経験談は、会員の経営環境を改善するための示唆に富むご報告でした。
そもそもDXとは「違うものになること」と定義され、Amazonや洗濯機、音楽消費の事例などを引用しつつ、デジタル化を目的とするのではなく、手段として活用し、省力化や効率化、新しい価値をつくった事例を提示され、大変参考になりました。
印象に残ったのは、マーケティングにおけるレビット理論をさらに深掘りするお話です。「顧客が求めているのはドリルなのか、穴なのか」という課題において、本当に解決したい課題がなんなのか見極めることが最も重要である、というお話です。顧客のニーズはドリルでもなく、穴でもなく、棚をつくりたいと考えているとするならば、穴を開けない手法も検討することができます。目的と手段を混同せず、DXを含めてあらゆる手段を駆使しつつ顧客のニーズに応えていくことが、経営の本質であるということを学ぶことができた報告でした。
(文責 北村 貴寿)