島原支部 9月例会報告

日時:9月16日(火)18:30~21:00

会場:サンプラザ万町

テーマ:人手不足に困っていませんか?~ひと味違う雇用のカタチ~

報告者:九州矯正管区コレワーク九州 調査係長 梶原 良太氏

出席者数:23名(会員20名、ゲスト3名)

今月の例会は「刑務所出所者等雇用支援」に関する報告でした。
「コレワーク九州」は、法務省矯正局に属する施設で、刑務所・少年刑務所・拘置所・少年院・婦人補導院を管理監督しています。
冒頭、「刑務所や拘置所についてどのような印象を持っていますか?」との問いかけから始まり、出席者からは概ねネガティブな印象が語られたように思います。その後、「矯正の実情について」、「コレワークについて」、「事業主を支える制度について」、「事業者等への求人方法」といった流れで報告がありました。
なかでも特に印象的だったのは、2024年度版再犯推進白書によると、刑法犯検挙者数に占める再犯者率が47%に上ること、また、刑務所に戻る人の約7割が無職であることでした。
このことからも、いかに在所中に就労先を確保させるかが重要であるとのお話でした。
とは言え、経営者・雇用主として出所者雇用はとてもハードルが高いと感じてしまいます。双方の間に立つコレワークがどのような働きかけや活動を行っているのか、また、保護観察所の支援、協力雇用主制度について具体的な説明もあり、そういった不安感の払拭に懸命に努めておられる姿が見受けられました。
その後グループディスカッションでは、ここでもやはり実用には慎重な意見が多かったように思われます。事前に開示される受刑者の情報には限りがあり、刑務所等に赴き、その場で色々と本人に確認しなければならないこと、出所者の多くが所持金や住まいがない人も多く、そういった面倒も見なければならない場合も多いこと、採用しても職場に馴染めず、1年以内に辞める人が相当数いることなど、依然問題は山積です。
しかしながら、労働力が減り続けるなかでの新たな人材の確保や、再犯を防ぎ犯罪者の更生を通じて地域社会の安全、日本の平和に寄与するだけでなく、過ちを犯してしまった人の更生、人生のやり直しに手を差し伸べるといった意味でも、非常に意義のあることだと感じました。
(文責 丸山 太郎)