vol.306 (2022年12月号)掲載

各界から長崎県同友会会員へ向けた熱きメッセージ

おもてなしの推進について ~“お客様を笑顔にする”  ワンランク上のおもてなしを!~

 西九州新幹線が9月23日に開業しました。この日は、我々観光業界はじめ県民が長年待ち望んだ門出の日でもありました。暫定開業とはいえ、交流人口拡大による経済効果は県下全域に及び、本県景気浮揚の起爆剤となることが大いに期待されています。
 そのような中、当連盟といたしましては、本県を訪れる新規観光客の増加もさることながらリピーター対策が非常に重要になってくるものと考えています。リピーター獲得の要諦は保有する観光資源の質と量、並びにおもてなしと食の充実にあると言われています。もともと本県の観光資源の豊富さと食のレベルは定評のあるところであり、向後、末永い観光立県を目指すとするなら、おもてなし向上への取り組みが必要不可欠であると考えています。
 おもてなしの難しさは“形が決まっていない” ところにあると思われますが、究極のところ県民の“意識と心掛け” の問題であると考えています。おもてなしに関する「じゃらん」の調査では近年、沖縄県の断トツ1位が続いています。「ウェルカムんちゅ」というCM動画を毎日地元TV局を通して放映し、県民の耳と目からおもてなしの大切さを訴えたことが最大の要因と言われています。
 然しながら、毎年、莫大なコストがかかるため、本県では、“お金をかけず”、“手間をかけず”、しかも“長続きさせる” ために、空港、駅、ターミナル、主要観光施設、ホテル、土産品店等、まずは観光の第一線で働く皆さんに「おもてなしワッペン」の着用をお願いしています。
 そして折角であれば笑顔で応対するだけでなく“お客様が笑顔になる” ようなワンランク上のレベルを目指していただければと考えています。よく「痒い所に手が届く」と言われますが、その時、その場のお客様の気持ちを先取りして臨機応変の対応をとることこそが究極のおもてなしになるものと思われます。そのためには常に“おもてなし” を意識しておくことが肝要で、ワッペン着用にはそのような効果があるものと考えます。
 観光立県を標榜する長崎県にとって国内外からのお客様をお迎えするにあたり“他県に秀でたおもてなし” はクリアーすべき重要なテーマと考えておりますので、観光業界に止まることなく、各企業の皆様、また県民一人ひとりが常にワンランク上のおもてなしの意識をもっていただくことが大切だと思います。

vol.306 (2022年12月号)掲載

一般社団法人 長崎県観光連盟
会長

宮脇 雅俊

1944 年10月4 日生
1968 年3月 長崎大学経済学部卒業
1968 年4月 株式会社 十八銀行入行
1996 年6月 同 取締役本店営業部長
1999 年6月 同 常務取締役
2003 年6月 同 代表取締役専務
2006 年6月 同 代表取締役副頭取
2007 年6月 同 取締役 代表執行役頭取
2014 年6月 同 取締役 報酬委員会委員長
代表執行役会長
2020 年10月 株式会社 十八親和銀行 顧問(現任)
公職歴 
2010 年6月10 日 在長崎ポルトガル国名誉領事
その他団体歴 
2015 年6月11 日 一般社団法人長崎県観光連盟会長/
2016 年4月 1 日 日本赤十字社理事