vol. 307(2023年1月号)掲載

各界から長崎県同友会会員へ向けた熱きメッセージ

持続可能な地域社会の実現に向けて

 長崎県中小企業家同友会におかれましては、昨年11月に創立50周年を迎えられたこと、心からお祝い申し上げます。また、創立以来、同友会理念のもと、会員企業の発展だけでなく、幅広く地域経済の振興発展に貢献されておられますことに対しまして、深く感謝申し上げます。

 さて、本市では、人口減少の抑制及び住みよいまちづくりを目指して、「第2期五島市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略」を2020年3月に策定し、持続可能な地域社会の実現に向けて人口減少対策に取り組んでおります。

 取り組みとして、移住支援促進制度の策定やオンラインによる移住相談会の開催、ワーケーションイベントなどを実施しており、2018年から4年連続で200名を超える方に移住いただいております。

 関係人口の創出を目的として、2018年から実施しているワーケーションイベントでは、全国のビジネスパーソンに市民との交流を通して、地域理解を深めていただき、ライフスタイルやワークスタイルを見直すきっかけにしていただいております。この取り組みは、宿泊による経済効果に加え、市民と参加者の協業など地域活性化に寄与しております。

 また、有人国境離島法に基づく雇用機会拡充支援事業にも力を入れており、本市における創業、事業拡大など雇用の場の創出を行い、定住、定着、移住の促進を図っております。該当事業が2017年度に開始されてから現在までに194件の事業が実施され、島内外から537名の雇用を生み出しているところです。

 さらに、本市は、四方を海に囲まれた地域の優位性を生かして、日本初となる浮体式洋上風力発電の商用化や潮流発電の実証実験を行うなど、2050 年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。浮体式洋上風力発電事業に関しましては、来年1 月から運転開始予定の風力発電機8基の建造作業が発電事業者により順次進められております。これが完成すると五島市の電力使用量の約8割を五島産の再生可能エネルギーで賄うことが可能となり、脱炭素社会に向けての活動を本格化しております。

 本市といたしましては、今後も経済の回復、商工業の振興、エネルギー問題の解決に努めて参りたいと考えております。

 結びに、会員皆様方の今後益々のご活躍とご発展をご祈念いたしますとともに、長崎県中小企業家同友会の更なるご活躍をご祈念申し上げます。

vol. 307(2023年1月号)掲載

五島市長

野口 市太郎

1955 年11 月 長崎県福江市(現・五島市)
1978 年3 月 長崎大学経済学部 卒業
2012 年8 月 五島市長就任
2016 年8 月 五島市長再任(2 期目)
2020 年8 月 五島市長再任(3 期目)