vol. 311(2023年6月号)掲載

各界から長崎県同友会会員へ向けた熱きメッセージ

県内企業の振興に向けて

 長かったコロナ禍も、ようやく落ち着いてきた一方、国際的な軍事的緊張の高まり等に伴う原材料価格の高騰などの影響により、近年、産業界を取
り巻く環境は厳しい状況が続いており、県内企業の皆様におかれましても、たいへんご苦労が多いことと思います。
 そのような中で、長崎県産業振興財団は、県内の中小企業を対象とした中核的支援機関として2001年4月1日に設立されて以来、2013年の公益財団法人への移行を経て、地域経済の活性化を目指した各種施策を、県や地元市町と一体となって展開してきたところでございます。
 現場第一主義でできるだけ多くの企業を訪問することを通じて、県内経済の実情や企業活動の実態の把握に努めており、今後とも、「企業とともに考え、行動する産業振興財団」として、製造業企業の取引拡大支援、県外からの企業誘致の推進、研究開発・事業化への支援を柱に、県内企業の皆様の円滑な事業推進を総合的にお手伝いしていきたいと考えております。
 具体的には、まず、製造業を中心とした中小企業の取引拡大・販路開拓支援として、県外企業訪問や個別商談会、発注ニーズ調査を実施することで、主に県外からの発注案件を掘り起こし、県内中小企業に対するタイムリーな情報の提供・紹介による取引マッチングに取り組んでおります。
 次に、企業誘致の推進として、雇用の創出と県民所得の向上を目指し、県外からの成長分野の企業誘致に積極的に取り組んでおり、最近5 年間(2018年度~2022年度)では、47社の誘致が実現し、3370人の雇用創出につながっております。
 次に、研究開発・事業化への支援として、産学官連携による新事業・新産業の創出を図るとともに、県内産業の様々なニーズに基づいた研究開発、事業化研究等の支援を推進しておりま
す。
 また、最近の新たな取り組みといたしましては、昨年度から、小売・卸売や飲食・宿泊業等を含むサービス産業事業者のうち、高い成長意欲と潜在力を持つ者として県の認定を受けた企業に対して、事業拡大やDX推進等を図るための事業計画の策定・実践に向け、専任のプロジェクトマネージャー等が伴走支援を実施しております。
 さらに、今年度からは、国(内閣府)の事業である「プロフェッショナル人材戦略拠点」の窓口を担っており、経営者の皆様との対話を重ねながら、経営課題を明確化することで「攻めの経営」への転換を促すとともに、そのために必要となるプロフェッショナル人材のマッチングにワンストップで取り組んでまいります。
 長崎県産業振興財団は、これからも、県内企業の皆様に寄り添いながら、地域経済の活性化と良質な雇用の場の確保に力を注いでまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

公益財団法人 長崎県産業振興財団
理事長

廣田 義美

1962年3月  長崎県佐世保市(旧北松浦郡世知原町)生
1980年4月  長崎県庁入庁
2011年4月  総務部新行政推進室長
2013年7月  企画振興部政策企画課長
2014年4月  総務部人事課長
2016年4月  五島振興局長
2018年4月  企画振興部政策監
2019年4月  産業労働部長
2022年3月  長崎県退職
2022年4月  公益財団法人 長崎県産業振興財団 理事長(現職)